2016年04月07日

南多摩中等学校 2016年 入試問題 解説・解答

2016年 南多摩中入試問題 解答・解説
 [適性検査U]
大問1 連休時の高速道路でなぜ何十キロもの渋滞ができるのかを説明している面白い問題。
【問題1】 @ 設問は「元の位置から車Bと車Cが3マスずつ進み前の車に追いついたら1回休んで3つの車が11マス目を超えるのに何回の移動が必要か。」を問う問題です。これは図を描いて変化のようすをたどっていけば答えが出ます。車Aは1マスずつしか進まない事に注目することが大事です。生徒にとっては設問や条件の文が長すぎて問題の規則を理解するのに相当時間を取られたのではないかと思います。
  A 7回
 A 条件から車B、Cともに1回に3マスまでしか進めないし(見落とさないように)、1マスずつ進んだのでは車Aに追いつけなくて時間がかかってしまうことから、B、Cともに2マスか3マスずつ進むと考えるとその組み合わせは(B,C)=(2マス、2マス)(2マス、3マス)(3マス、2マス)
の3つのうちのどれかを答えればよいことになる。

【問題2】 「後ろから追いついたら1回休むという条件で、ゴールするまでに休んだ回数を答える問題」です。
  Aの考えから、いずれも表を作り、変化のようすを順にたどっていけば答えが出るはずです。
  (1)(B,C)=(2マス,2マス)の時に止まった回数は7回  (2)(B,C)=(2マス,3マス)でも7回 (3)(B,C)=(3マス,2マス)で6回 が答えになります。
* 訂正(赤字部分):1回に1マス進むことも可能ですから組み合わせがもっとあることになります。従って、問題2も (B,C)=(2,1)とすればBが2回止まりCが0回止まることになり、合計2回という事が言えます。

【問題3】 問題の条件を (i) 車@が18q先のゴールに着く時に車Bが2回目に追いつく時が車Bが最も遅い速度であり」 (A) 車@がゴールに着く時、車Bが3回目に追いつくのが最も早い速度だ、(そしてこの速さを捨てる)と考えて計算すれば答えになります。
  (@)の場合 車Bが9qを20分で進むと考えると 9q÷(3分の1時間)=27q/時
  (A)の場合 車Bが6qを10分で進むから 6q÷(6分の1時間)=36q/時 となるが
  これは3回追いついてしまうことになるので条件から36q/時未満の整数値で一番早いのは35q/時となります。
   A. 時速27q以上35q以下
   この問題は算数的とも言えるのだが、必ずしも算数得意の生徒に有利とも言い切れない。文系的な頭の生徒にも解ける問題であった。ただし時間はかかっただろう。ここで時間を使いすぎなければ全体的に得点できたのではないだろうか。ここで時間のロスをしたかしないかは合否の大きな分かれ目だったろう。

大問2  歴史に関する問題。他県ではかなり出題され始めていたので、今年は出るのではないかと予想していましたが、やはり出ました。ただし、問題1は歴史問題だが問題2はx軸、y軸による座標問題だと言えます。
【問題1】 設問は「室町時代に3代将軍義満は武家なのになぜ金閣寺のような建築物を作ったのか。その根拠と類似なものを示せ」というもの。これは小6にとってかなりの難問だったのではないだろうか。要するに「足利氏は武家なのに寝殿造りである金閣寺のような貴族的なものを好んだ。」という趣旨で書けば得点をもらえたと思います。その類似なものは具体的には
 @ 能や狂言の奨励
 A 枯山水の庭園 
 B 連歌の隆盛 
等があげられるであろう。

【問題2】平安京の区画の仕方と建物の住所の表示方法に関する問題。右側を左京、左側を右京と呼ぶことに注意しましょう。
 A @ 西本願寺=「左京区七条二坊」 A 東寺=「左京区九条一坊」

【問題3】 川にかかる堰の改良により、魚たちが上流と下流の間を自由に行き来できるようになっていく様子に着目して回答する問題。
 解答例 「2010年に堰Bを改良したため、2009年には堰BとCの間にいるマスの数が0だったのに対しマスの数が増えてきた。2011年には堰Cを改良したためにそれまでより約2.6倍(141÷54≒2,61)のマスが行き来できるようになり、AB間も約1,8倍(16÷9=1.77)に増えた。さらに堰Cと白い川の合流点の間のマスの数も大幅に増えている。」
 
大問3 理科の問題。
 【問題1】アゲハチョウの幼虫の体のつくりは資料1のモンシロチョウの幼虫と同じだから、目が1の部分から、足が2,3,4の部分から、羽は3,4の部分からできてくることになる。アゲハの幼虫の体の4のところにある目のような模様を目と勘違いしなければ良い。
 A,目=1、足=2,3,4 羽=3,4の部分(このうち2つを答える)

 【問題2】さなぎの色が緑になる場合と茶色になる場合の条件を識別する問題。資料2の結果2をよく見ると「明るい部屋で紙やすりに幼虫を載せると27個すべて茶色になった」ことに気付けば入れる板はCでケースの明るさはEだと分かるはずです。 A,CとE 
 ここは条件を素早く理解すれば、比較的短時間で答えが見つかるでしょう。またそうしないと高得点にはならないでしょう。

 【問題3】モンシロチョウがさなぎから羽化するまでの環境の変化を考える問題。なぜ㋐よりも㋒や㋓のほうが羽化する数が集中的に増えるのかを見ぬいてほしい。気温を5℃で冷やしておいて(これは冬の期間を思わせる)ある期間を経た後に(6週間とか9週間)25℃に室温を上げる(これは春の到来を思わせる)とさなぎは羽化すべき時ととらえいっせいに羽化すると考えられる。
解答例,5℃の期間を長くとるとさなぎが成虫になるのに日数が多くかかるが、いっせいに成虫(=羽化)する割合が高くなる。(「冬から春になり成虫になるべき時が来たと感じ取ると考えられる。」と付け加えても良いでしょう。)

 (*解答が勘違いして誤りが含まれていたらどうかご容赦ください。)
posted by 塾王 at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 入試問題分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年02月09日

2015年 南多摩中入試問題分析

 今年、都立中として他校と初めて共同制作となった入試でした。 南多摩中の問題の特徴は
@ 問題量が他校と比較して少なめであること
A 理科の実験による結果からその原因との因果関係を問う問題が出る。
などであるが、今年はどうだったのでしょうか。
 適性検査U
 大問3つ小問9題。
 大問1 問(1)は「うるう年」を題材としていて、うるう年の意味を問題に書いてあるので、分かりやすかった。4の倍数のうち千の位と十の位、百の位と一の位が同じ4けたの数字を答えるもので、一つ一つか書き出してみればすぐにわかる。例えば1212が正解のうちの一つ。
この手の問題に慣れている人にとっては「ある数字の下2けたが4で割り切れれば、その数全体が割り切れる。」ことはよく知られているところ。なぜなら100は4で必ず割り切れるからです。こういう練習をしていれば簡単に解けたはずです。他にも1616とか3232、3636などたくさんあるうちの3つ答えればよいのです。

 問(2) 「1年が2015,4日だったらばうるう年をどう置くか」という問題。やはり問題が解き方を示唆してくれているので分かりやすい。余っている0,4日は1日分になるのには 1日÷0,4日=2,5年かかるのでこれを2倍したら整数になるから、「5年で2日取ればよい。」訳です。具体的には「次の5年のうち4年目と5年目に1日ずつ加えてうるう年にする」とか「5年目に2日加えてうるう年にする」とかが答えになるでしょう。

 問(3)は「火星の1日が地球の時間で24時間40分のとき、火星が太陽の周りを1周するのに地球の時間で687日かかるとすると、火星が太陽のまわりを1周するのに火星の1日で数えると何日になるか。」という問題。かなりの難問でしょう。私立中入試問題で鍛えてある生徒向きの問題といえます。地球の時間である687日を地球の時間になおし、それを火星の一日である24時間40分で割ればよいのです。
 式=687×24÷24時間40分=668,43---のとなり四捨五入して答え=668,4日 
このとき40分は3分の2時間に直して計算しなくてはならない。

大問2は日本の少子高齢化問題でわが塾でもグラフの読み取りを含め何回も練習したものでした。大きな数の割り算を間違えなければO.Kです。ただし問(3)はメルカトル図法の弱点については知識として知っている人と知らない人で大きな差が出たかもしれません。

大問3は南多摩中好みの問題といえる。実験結果の平均を出す問題で、8回の実験のうち失敗した2回目と7回目を取りのぞいて残りの6回の平均を出せばよいでしょう
 (2)は「水の中に様々な形の発砲スチロールをしずめ、離したらどれだけ空中に飛び上がるかを計測し、その距離の差が生まれる原因、理由を考えさせる問題。」でやや難問でした。表から水深10pから深くなると飛び上がる距離が減っていくことを考慮に入れることができるかどうかが分かれ目です。答え「深さ10pまでは深くすればするほど高く飛び出すがそれ以上深くすると逆に飛び出す高さは下がっていく。」
(3)はさらに2つの形状を組み合わせて(1)(2)からどの形が最も高く飛び上がるかを推測させる問題で、かなりの難問でしょう。水中20pから手を放し、0pまではカの球が大きく飛び出すが0pからはオの円錐形が飛びぬけて大きく飛び出すので単純にオとカを組み合わせたHが答えと思われる
posted by 塾王 at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 入試問題分析 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする